遺言とは・・・

相続と遺言の手続

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遺 言

■遺言とは

 死後のことをいいのこしたものを遺言といいます。
 「私が死んだ後、家族が仲良く暮らし、子供達は母の面倒をみるように」といったことが思い浮かぶとかもしれません。
 法律にいう遺言は、遺言をしたものが死んだ後に、遺言をしたことが法律上の効力を生じる性質のものでなければならないのです。

 一般に遺言というのは、ある人が自分の死後の財産の帰属について、自己の意思表明をすることと思われがちですが、子の認知や、遺言執行者の指定、後見人および後見監督人の指定および相続人の廃除およびその取り消しなども、遺言として、遺言者の死亡にともなってその効果を生ずる法律行為です。
  遺言は相手方のない単独行為というのも行為の特色です。

 

■民法が定める方式に適しない遺言は無効

 遺言は、民法に方式を定めており、その方式にしたがってしなければ、その効力は生じないのです。
 遺言の方式には、普通方式と特別方式方式とがあります。
 普通方式によって遺言をするばあいには、自筆証書、公正証書および秘密証書の三つの証書作成方式があります。
 特別方式による遺言は、普通方式による遺言ができない状況にあるときの遺言で、次の者に特別にゆるされたものです。
@ 死亡の危急に迫った者
A 伝染病で隔離された場所にある者
B 船舶中にある者
C 船舶遭難者


■遺言できる事項

 遺言事項は民法で定められており、大きくは、身分あるいは家族に関する事項と、財産に関する事項に分けることができます。さらに、財産に関する事項は、相続に関することと、財産の処分に関することに分かれます。

1.
身分・家族に関する事項
@ 認知をすること(自分の子供であることを承認する)
A 後見人や後見監督人を指定すること
B 祭祀主宰者を指定すること 
2.
財産に関する事項
(1) 相続に関する事項
@ 相続人の廃除と排除の取消
A 相続分を指定すること、もしくはこれを第三者に委託すること
B 相続が開始してから5年以内の遺産分割を禁止すること
C 相続人が負う担保責任を指定すること
D 遺言執行者を指定およびその委託をすること
(2) 財産の処分に関する事項
@ 遺贈をすること
A 遺贈減殺の方法の指定

*遺言ではできないこと
@ 相続人を指定すること
A 養子縁組をすること


■遺言できる人

@満15歳以上の人
 満15歳前に遺言書を書き、15歳に到達したとしても有効ではありません。
A 成年被後見人
 成年被後見人とは、精神上の障害により事理弁識する能力を欠く、法律行為の制限能力者です。
 遺言について、法律行為の制限能力者である成年被後見人も自由うにすることができるとされています。
 成年被後見人が遺言をしようとするときは、2人以上の医師の立会いを求めて、本心に回復していたことを証明してもらう必要があります。

B 被保佐人および被補助人
 被保佐人および被補助人は、精神上の障害により、事理弁識が著しく不十分もしくは不十分と、家庭裁判所が審判した人をいいます。
 被保佐人および被補助人が一定の法律行為をするには、それぞれ保佐人・補助人の同意を要しますが、遺言については同意は不要です。また医師の立会いも要しないのです。


■普通方式による遺言


(1) 自筆証書
@ 全文を遺言者が自分で書いたものでなければなりません。ワープロや盲人点字機などを用いた遺言書は認められないのです。
A 遺言書の日付を記載します。
B 氏名を自書してこれに印を押さなければ効力を生じません。
C 家庭裁判所で、開封、検認をうけなければなりません。

長所
・いつどこでも簡単に作成できる
・費用がかからない
・内容を変更することが容易である
・遺言の作成およびその内容を秘密にしておくことができる
短所
・遺言の内容が不明確になりがちである
・遺言を紛失したり内容を改ざんされるおそれがある

(2) 公正証書
 公正証書とは、国家機関である公証人が作成した証書のことです。
 公正証書によって遺言するには、次の方式に従わなければなりません。
@ 証人2人以上の立会いがあること
A 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授する
B 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者および証人に読み聞かせる
C 遺言者および証人が、筆記の正確なことを承認したのち、各自これに署名し、印を押すこと。
D 公証人が、その証書は適法な方式にしたがって作成された旨を付記して、これに署名し、押印する。

長所
・内容が明確で、また方式も確実である
・遺言の保管が万全で、紛失したり改ざんされる危険がない
・検認などの手間がかからない
短所
・多少の費用や時間がかかる

(3)秘密証書遺言
 秘密証書遺言は、遺言の内容を秘密にしたいとき、その秘密が保たれるという便宜が得られます。その方式は、次のとおりです。
@ 遺言者が、その証書に署名し、印を押す
A 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること
B 遺言者が、公証人1人および証人2人以上を前に封書を提出して、自己の遺言書である旨ならびにその筆者の氏名および住所を申述する
C 公証人が、その証書を提出した日付および遺言者の申述を封書に記載したのち、遺言者および証人とともにこれに署名し、印を押す

長所
・内容の秘密が守られる
短所
・保管が不完全である
・紛失および改ざんの危険がある



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